Nutanix CEのインストール先ハードウェア検証

 

 ・この記事はNutanix Advent Calendar 2020の12月23日分として執筆しました。

 

・ 今年の記事は、9月に発表された Nutanix CE 5.18の色々なHW環境へインストールを試した内容についてです。CPU編、ストレージ編が主に大きな変化がありましたので共有致します。



・CPU編

 今回、AMD製のCPUでも使えるという噂の元、手持ちのCPUを試した結果、以下の通りになりました。

Socket AM3+世代  → Prizmのみ可(VM起動不可)
Socket AM4世代    → 全機能可
Socket TR4世代     →   全機能可

各環境については以下の通りです。
 

 Socket AM3+

 CPU Opteron™ 3280(8core 2.4Ghz)
 RAM CENTURY MICRO DDR3-1600 8GB*2 
         SanMax DDR3-1600 2GB*2
        =20GB
※16GBでは起動しませんでしたので、急遽そのあたりに転がってたメモリを使いました。
 M/B GA-990FXA-UD7 (rev. 1.0)
 Storage SSD 2.5インチ 240GB(メーカー名不詳)
              HDD 3.5インチ 2TB*4 (HGST)
NIC Intel® i210
 

 Socket AM4

CPU Ryzen™ 7 1800x (YD180XBCAEWOF) 
RAM CENTURY MICRO DDR4-2900 32GB*2
M/B ROG CROSSHAIR VI HERO
Storage SSD Sansung 960 EVO 250G (MZ-V6E250B)
             HDD  3.5インチ 2TB*4 (HGST)
NIC Onbord(Intel®I211-AT)

Socket TR4

CPU Ryzen™ Threadripper™ 1950x(YD195XA8AEWOF)
RAM G.Skill Trident Z DDR4-3000 8GB*2 ※2666動作
        G.Skill Trident Z DDR4-3200 8GB*2※
2666動作
M/B ROG STRIX X399-E GAMING
NIC Onboard(Intel®I211-AT)
 
Socket AM4,TR4世代ではNVMeのSSDは特に問題なく利用できます。
しかし、IOMMUが有効化されている確認してください。
特にAsus製のマザーボードはマニュアルにない箇所に記載があります。
場所はAdbanced\AMD PBS内にあります。画像を参照の上、有効化してください。



 
 
Socket AM3+世代にてVMが起動しない理由については命令が足りないようです。
acliから起動した際のエラー内容は以下の通りです。

libvirtError: the CPU is incompatible with host CPU: Host CPU does not provide required features: movbe, f16c, rdrand, fsgsbase, bmi1, smep, bmi2, rdseed, adx, smap, clflushopt, sha-ni, xsaveopt, xsavec, xgetbv1

そして、Socket AM4,TR4 世代については、UEFI(BIOS)のバージョンは最新状態にしてください。最新でない場合、Spectre,Meltdownの対応がなされておらず、VMが起動しません。ご注意ください。
VMが起動しない際、acliから起動した場合、下記エラーが表示されます。

libvirtError: the CPU is incompatible with host CPU: Host CPU does not provide required features: ibpb


そして、初代Ryzen世代のハードウェアバグについてですが、対策済みのカーネルをNutanix CE 5.18でも使用されておりますので問題ないと推察されます。


・ストレージ編

 
今までNutanix CEでは、書き込み制限があり、およそ、単一10GBファイル以上のファイル送信ができませんでした(遅延が100000msに増大)
 
ですが、今回のバージョンにより、その制限が撤廃され、商用版と同様にストレージを使えるようになりました。
 
ということで、ここに単一777GBの動画ファイルがあるので試しに転送したところ、無事に転送が完了しました。
AHV上やdatastore上、各VM上においても同様の結果が得られました。(キャプチャー画像ありませんすみません...)
 
ということで、商用版の長所でもあるストレージも使える環境が構築できるということで、できるだけHDDをつけてみる検証も行いました。
 
結論としては、Sataポートの上限8つHDDをつけても問題が発生しませんでした。
 
データ転送についてもきちんと行えております。


ですが、マザーボード上のSataポートを使用すると負荷が激しく状況が続いた際にチップセットの破損を引き起こす可能性があるのでRaidカードやHBAといった外部コントローラーを使用したくなります。
以前のNutanix CEバージョンでは各種ドライバーが内蔵されていたため、marvell やLSI(新会社名:Broadcom),Avago(新会社名:Broadcom) と有名なメーカーの旧製品が使用できておりましたが、Nutanix CE 5.18では一気にドライバーが少なくなり、認識がされなくなりました。

よって、商用版の各メーカーに搭載されているRaidカード or HBAならば認識すると考え、試したところ、認識しました。確認できているものは以下の通りです。
 
DELL    H810
HP        Smart array P420i(コントローラーの設定に入れなかったため不明なストレージとして認識)


今回のアップデートでは、商用版と近い環境が使用できる点が非常によくなり、ストレージの検証についても色々とできるようになりました。

これを機に自宅ラボのストレージを含めた環境をNutanix CEにまとめるのもいいと感じました。
そして、常にCPUを使うNutanix ではCPU負荷が高い場合の消費電力が低いモデルがよいとされますが、ここ最近のAMD製CPUはそれが顕著であり、Nutanix CEにて使用するにはピッタリなものになります。

最近Ryzen 5000シリーズが発売になり、型落ちになったRyzen 3000シリーズや対応するx470マザーボードが安価になり入手性もよくなっているのでIntel環境から乗り換えるのはいいかもしれません。

 ※各会社名や製品名などは各社の登録商標になります。できる限りつけましたが抜けている箇所はあります。ご了承ください。
 

・謝辞

今回の検証ではsmzkstsさんに非常にお世話になりました。セットアップエラーが何度も出た際にはほんとに天からの恵みを受けた気分でした。本当にありがとうございました。



明日はsmzkstsさんになります。引き続きNutanix  CEの内容だそうです。よろしくお願いします。




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